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幻の香料「竜涎香」と琥珀の意外な関係

マッコウクジラの腸内で生成される香料「竜涎香(リュウゼンコウ)」は、幻の香料といわれていますが、どんなものでしょうか。

マッコウクジラの腸内で生成される香料「竜涎香(リュウゼンコウ)」は、歴代の中国皇帝も珍重した幻の香料といわれています。この竜涎香は、ヨーロッパではアンバーグリス(灰色の琥珀)と呼ばれました。それは、どのような理由からなのでしょうか。

貴重な香料「竜涎香」ってどんなもの?

竜涎香は、マッコウクジラの食べたエサであるイカやタコなどが元になって、胃や腸にできる結石です。マッコウクジラが排出した結石は、長い年月海を漂っている間に、空気や海水にさらされて、微生物の働きにより異臭が取り除かれていきます。その結果、グレーのような色合いで魅力的な香りを放つ物体に変化するそうです。

竜涎香を発見した中国人は、これが一体何なのかが判らず「竜の涎(ヨダレ)」が固まったもの、と空想していたといいます。そのために「竜の涎の塊の香料」という意味で「竜涎香」と名付けられたそうです。

中国では竜涎香をお香としてだけでなく、神経や心臓の不調に効果がある漢方薬としても珍重されました。日本では、室町時代の書物に竜涎香の記述があり、この頃香料として伝来したのではないかと推測されているそうです。

竜涎香がアンバーグリスと呼ばれたワケ

竜涎香は、アラビアからヨーロッパに伝来しました。8世紀頃からアラビアでは乳香やムスク、サンダルウッド:白檀(ビャクダン)、アンバー:琥珀(コハク)などがお香として用いられており、竜涎香はアンバーの仲間としてヨーロッパに伝えられました。

実際には、琥珀と竜涎香は全く違うものなのですが、本来のアンバーと区別するために「灰色」を意味する「グリス」が加えられて「アンバーグリス」と呼ばれるようになったそうです。

ヨーロッパ諸国でも竜涎香は、香料や医薬品、媚薬として王侯・貴族たちに珍重されたといいます。

まとめ

ヨーロッパでアンバーは、海の産物と考えられていました。世界で唯一の植物性の宝石「琥珀」と世界で唯一の動物性のお香「竜涎香」がアンバーの仲間と思われたのには、間違いからとはいえ何かしらの縁を感じずにはいられません。どちらも、とても貴重な自然の産物。竜涎香は、今でも購入することができるようですから、その魅力的な香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

【参考】

香料素材 - 高砂コレクション